昨秋は同率4位に終わった中大。長らく主力であった牧秀悟(現:横浜DeNAベイスターズ)、五十幡亮汰(現:北海道日本ハムファイターズ)を中心とした4年生が卒業し、チームは新たな局面を迎えた。19年秋以来の王座奪還のキーマンとして投打の要となっていくのは皆川喬涼(法4=前橋育英)と森下翔太(商3=東海大相模)の二人だ。
ラストイヤーでの活躍に期待がかかる
~雪辱を晴らす~
主将の古賀悠斗(法4=福岡大大濠)が投手のキーマンとして挙げたのは皆川。1年次から合計30試合近く登板し、先発・中継ぎ・抑えと幅広く活躍してチームを支えてきた。2年次秋には優勝投手となり、神宮大会でも先発登板するなど数々の舞台を経験している。しかし、昨年の登板試合は1年春以来最小の4に留まり、投球内容に関しても「全体的に試合を作る能力がなかった」と悔いが残る形に。その悔しさをばねに冬の間はピッチングフォームの改善と下半身強化トレーニングを重ねた。その結果、OP戦初戦から好投を見せ、皆川本人もキャンプからOP戦を振り返って「昨年の課題を少し克服できてる」と手ごたえを感じている。復活に向けての第一歩を踏み出した。
~古賀とのつながり~
古賀とは1年次からずっとバッテリーを組んでいる。皆川は古賀のリードに対して「一回首を振っただけで、自分が投げたいサインを出してくれて投げやすい」、古賀も皆川のピッチングに対して「皆川が一番受けやすい」と語るように、自他共に認める相棒的存在だ。練習時の時だけではなく、試合中でもバッテリー同士のコミュニケーションを欠かさない二人。その抜群のコンビネーションで勝利を手繰り寄せていく。
長打力だけではなく持ち前の選球眼で塁を狙う森下
~新たな主砲~
対して、攻撃面のキーマンとして期待が高いのは森下。1年次からベストナインを獲得し、牧と共に侍JAPANに選ばれるなど潜在能力には目を見張るものがある。昨秋の東洋大との開幕戦ではチーム初打点を挙げて主砲としての貫禄を見せた。中盤では「結果が出ずに、調子の波が深かった」と失速し、最終カードの亜大戦ではスタメンを外れるも、ベンチでもチームを鼓舞し続けて打席に留まらない存在感を発揮した。
~受け継がれる思い~
牧・五十幡に代わって攻撃の要を担っていくことを受け、オフシーズンには「クリーンアップを打つときに必要な『振る力』」を強化したと語った。また、「守備の部分でも積極的になっていかないといけない」とチーム全体の要として選手を引っ張っていく。狙うは首位打者。そのバッティングで勝利への道だけではなく、自身やチームの可能性を切り開いていく未来を見届けたい。
~いざ開幕へ~
2年振りに開幕する東都春リーグ。特に皆川たち4年生にとっては今年が最後だ。「(東都リーグは)プレッシャーが常にかかってくるので、プレッシャーに打ち勝つ気持ちの持ちどころは大切にしたい」と語るように、技術面だけではなく精神面も重要。彼らにとって二度目の優勝と日本一を目指した戦いがいよいよ幕を開ける。
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