立正大との開幕カードを制した中大。迎えたのは20年秋リーグ王者・亜大。昨季未勝利に終わった因縁のライバルとの2戦に臨んだ。
1回戦の中大の先発は皆川(中大④)。1回表から亜大打線を抑え、2回には主将の古賀(中大④)が盗塁阻止を決めるなど上々の立ち上がりとなった。しかし、4回に状況は一変。二死走者なしから四球と安打で満塁のピンチを招く。7番西脇(亜大③)をツーストライクまで追い込むも、走者一掃の適時二塁打を許して痛恨の3失点。その裏、古賀が右前安打で出塁し、一死二、三塁とすると、北村(中大③)の犠牲打で1点を返して2点差とした。
5回からは石田裕(中大②)に交代。雨が降り始めてきた中での登板で、二死満塁と厳しい場面となった。それでもペースを崩さずに後続を打ち取って無失点に抑え、その後も8回まで三者凡退のピッチングで追加点を許さない。
▲5回から9回途中まで投げ抜き、今季初勝利を挙げた石田裕
そして迎えた8回裏、打席に立ったのは古賀。「最後の打席になるかもしれないので、主将として絶対に決めてやろうと思った」と4球目を捉えた当たりは左翼への本塁打となって1点差へ。主将の一発で反撃の機運が高まった中大は、その後四球と安打でチャンスを作り、石井(中大②)の適時打で遂に同点に追いつく。なおも二死一、二塁のチャンスで清水監督は高橋隆(中大②)を代打で送った。2球目、ファーストストライクを捉え、打った瞬間「外野は超えるだろうと思った」と手ごたえを感じた当たりが左翼スタンドへの勝ち越しの3ラン本塁打となった。この回で一挙5得点を挙げ、6-3と一気に亜大を引き離した。9回には二死から走者二人を出すも、石田裕に代わって9回途中から登板した西舘(中大②)が田中幹(亜大③)を三振に打ち取ってゲームセット。中大が3点差を跳ね返して見事な逆転勝利を収めた。
▲待望の1号本塁打が出て満足げにダイヤモンドを一周する古賀
▲ダイヤモンドを一周してチームメイトに迎えられる高橋隆
迎えた亜大2回戦。1回戦同様に皆川を再び先発起用した。これで4試合連続登板となったが、連投を一切感じさせない好投でスコアボードに0を刻み続ける。対して、亜大も1回戦に続いて松本健(亜大④)が先発登板。再び序盤から投手戦となり、先制の好機はなかなか訪れない。
しかし、その時は突然やってきた。6回に松本健の四球と暴投で二死三塁のチャンスで迎えたのは古賀。粘ってチャンスをうかがっていた古賀だったが、松本健の4球目がまさかの暴投となり、その間に三塁走者が生還して中大が先制した。続く7回には中田の適時打で2点目、8回には中前の適時二塁打で更に2点を追加して4-0とした。そして9回には小牟田(亜大)の暴投と失策が絡んででダメ押しの2点を追加して皆川を援護した。
▲この試合3安打を放った中前
6点のリードをもらった皆川は9回もマウンドに上った。自身にとって初完封が目前となった。先頭打者の木倉(亜大④)の二塁打から一死三塁と「自分が抑えていれば(完封)のチャンスは来ると思ったので一人一人抑えていくことを意識した」と焦らずに続く打者を二者連続空振り三振に打ち取って試合終了。開幕4連勝をエースの初完封勝利という最高の形で飾った。
▲高校、大学の公式戦で初完封勝利を収めた皆川(左から6人目)
開幕2カードが終了し、ここまで無傷の4連勝と最高のスタートダッシュを切った中大。しかし、「勝った試合はすでに終わったことなので、次の試合に向けて戦っていきたい」(古賀)と語るように、「戦国」東都ではそのような油断は禁物。目の前にある試合に確実に勝利し、19秋以来の王座奪還へ更なる前進を遂げることに期待したい。
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