幻のホームイン、佐々木本塁打も1点の重みを痛感
主将・佐々木は3ランを放った
ブルペン陣を支える大宮
空き週を挟んだ2カード目の相手は立正大。1回戦目は青学大戦で好投した松澤(東洋大③)が2戦連続で先発のマウンドに上がる。落ち着いた投球で初回を三者凡退に抑えたが、二回、失策が絡み先制を許す。
1点を追う攻撃は二回裏、思いがけない事態が起こる。中前打で出塁した小口(東洋大③)が続く宮本(東洋大②)の適時二塁打でホームインし同点。と思われたが、立正大ベンチからの「ホームベースを踏んでいない」というアピールプレーにより、無得点に。宮本の今季初安打であった二塁打は幻のタイムリーとなってしまった。まさかの展開にスタンドからは戸惑いの声が。杉本監督も「野球をやっていて初めてのことだった」と困ったように語った。
まさかのミスから立ち直りたい中、迎えた三回裏先頭の廣岡(東洋大③)が中前打を放ち出塁。その後、チャンスを広げ打席にはキャプテン佐々木(東洋大④)が向かう。初球のスライダーを振り抜くと「あれ?」と言いたげな顔でバットを一瞥。そんな佐々木におかまいなく打球はレフトスタンドに飛び込む3ランとなった。試合後、佐々木は「バットにヒビが入ってて…」と苦笑い。打った直後の困惑の表情の訳を苦笑いしながら語った。四回に1点を追加され、1点リードで迎えた七回表。これ以上の失点は許されない場面であったが、2つの失策が絡み3点を献上。
試合はそのまま終わり、3対5で敗戦。主将・佐々木に一発が飛び出したものの、敗れた。
試合後の取材に「東洋大学の日ではなかった」と語った杉本監督。精彩を欠く試合となった立正大初戦。天敵相手に連敗は避けたいところ。次戦は集中力を取り戻し、投打の噛み合った試合を披露できるか。選手たちの奮闘に期待したい。
代打でまた打った!橋本吏3ランに決勝のホームイン
大学初アーチをした橋本吏
初安打を放った加藤響
負けが先行し迎えた立正大2回戦。互いに譲らぬ展開で三回まで両チーム三者凡退のゲームは四回、奈良間(立正大③)の一発で均衡が破られる。追いつき追い越したいところだが、安打が出ても後が続かずなかなかチャンスを作ることができない。
好機が訪れたのは終盤。七回に小口の四球と木村(東洋大④)の中軸コンビで演出した。1死で指揮官が打席に送ったのは「右の橋本」と信頼を置く、橋本吏(東洋大②)。「余計なことは考えずに」と無心でバッターボックスへ向かうと、決着が着くのにそう時間はかからなかった。大きく外れた初球を見送った2球目、ど真ん中の直球を力強く一閃。打球はぐんぐんと伸び、東洋大応援指導部がエールを送るレフトスタンド中段へ届き逆転3ランに。自身初本塁打に二塁ベースで大きくガッツポーズを見せ喜びをあらわにすると、ベンチでは手荒い祝福を受けていた。
七回、八回に1点ずつ返され同点で迎えた九回表。この日2度目の打席に立った橋本吏が先頭で四球を選び出塁。廣岡(東洋大③)が送り松本渉(東洋大③)、瀬川(東洋大④)も四球で2死満塁の好機を迎える。勝ち越しの期待が高まる場面で佐々木に投じられた4球目は暴投となりその間に三塁の橋本吏がホームイン。これが決勝点となった。
代打で結果を出し続ける橋本吏に杉本監督も「考えます」と起用法再考を示唆。スタメンに橋本吏が名前を連ねるか。続く相手は全勝で首位をひた走る中大。この勢いを止めるにはさらなる打線のつながりが不可欠だ。
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