東洋大にとって6年ぶりに2部で迎えるリーグ戦となるが、それでも「自分の任されたところはしっかりと抑える」と変わらぬ心意気の羽田野温生(東洋大③)投手。今季にかける思いは秋のみならず、その先も見据えていた。
昨季は抑えとしての好投だけではなく、球速150㌔をマークするなどの進化も見られた羽田野。秋には、その球速や防御率といった数字的な面に加え、「変化球の精度を高め、よりレベルの高いピッチングをする」ことを目標に掲げている。しかしながら、夏の期間の活動制限によって満足のいく取り組みが出来なかったために、これから感覚を取り戻し、変化球の具合を確かめるつもりだ。
登板は5回2分の1で83球と、そこまで多くなかった昨季。ただ、その中でも手に入れた収穫と課題は大きい。今後、チームを支える一角として数字的な結果だけではなく、その成長度にも期待が高まる。
また、4年生への思い、そして、羽田野自身が4年生となる来年度に向けての決意を強く持つ。今季の入替戦中止に対して、「やっぱり4年生がいちばんつらいと思うんですけど、自分たちは4年生の思いも背負って、来年の春に優勝して必ず1部に上がりたい」と語ったことが、そのすべてを表している。1部への最短復帰を目指していたチームにとって受け入れがたい決定であった。「優勝することで来年にもつながる」というように、モチベーションを保ち、しっかり勝ち切ることも忘れてはいない。
「みんなで継投して勝ち切る」ことが投手陣としてのテーマ。昨季は序盤にリードを許し、中継ぎ陣も踏ん張りきれず敗戦することがパターン化されていた。また、一人一人の意識の低さが浮き彫りに。これらの打開策を講じることで、東洋大の目指す「優勝」に手が届く。
羽田野は「秋はしっかり結果を残して、来年の春につなげていきたい」と、改めて決意を口にした。1部復帰へ向けて、まずは目の前の一試合が大切となる。6年ぶりにリーグ戦の舞台は2部となるが、経験を積み、さらなる進化を見せられるか注目であり、それはチームにとっての大きなカギになる。
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