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  • 執筆者の写真東都 BaseballWeb

加藤響が最後に快音を“響”かせた!!野球はやっぱり九回2死からだ!!



走者一掃の適時打を打ち、雄叫びを上げる加藤響

真夏のような日差しが差し込む中で始まった専大との勝負は八回まで互いにゼロ行進。暑苦しい戦いを繰り広げ、打線は目を瞑っていた。後半にかけて吹き始めた追い風を受けて、秋澄むグラウンドに快音を響かせたのは加藤響(東洋大①)だった。



 九回、1死で小口(東洋大③)が中安打、盗塁を仕掛け二塁へ。続く矢吹(東洋大③)が申告敬遠で一塁まで歩かされ、今季無安打の木村(東洋大④)に打席が回る。木村はなんとか走者を二、三塁に送ると、石上泰(東洋大②)が四球を選び2死満塁となった。


 

 加藤響が打席に入る直前、杉本監督がグラウンド上に姿を見せ、声を掛けた。杉本監督の話を真剣な表情で聞き入れた加藤響は「よしっ」と自分を鼓舞し、勝負の行方を占う重要な打席に立つ。



打席前杉本監督(右)の話を真剣に聞く加藤響   

 陽光という名のスポットライトが加藤響を照らした。天上から届く光に手を伸ばそうと目を輝かせた若き青年が放った打球は左方向への痛烈な当たりに。左翼線を転々とする間に塁上にいた全員が生還。大きな歓声が久しぶりにベンチから鳴り響いた。結果として走者一掃の適時二塁打となり、加藤響は拳を強く挙げ、グラウンドの真ん中で思い切り吠えた。


 

 昨季は、1年生の出場が許可された初日から二塁手として出場するも、打率は1割3分3厘。思うような活躍ができなかった。しかし、小口が今季のキーマンとして名を挙げたのが加藤響だった。「1年生で試合に出ていることがまずすごい、だから思い切っていってほしい」。加藤響も「自分はバッティングが売りなのでバッティングでまずはチームに貢献したい」と今後の活躍を誓っていた。そしてついにこの日、九回2死満塁の大チャンスを見事ものにしてチームを勝利に導いた。



 「思いっきりやれとはずっと言われてたんですけど、それをうまく体現できなくて。こういう大事な場面でチャンスだったので」と自身の力を存分に発揮した。


 

 試合終了後、笑顔の加藤響にすぐさま駆け寄ったのは小口だった。先輩の小口から求められた抱擁にさらに喜びを爆発させ、笑みが止まらない。そして朗らかな雰囲気を身にまとわせたまま、球場を去っていった。



加藤響(左)の活躍を小口が祝福した

 今季から三塁手として出場。守備では他の誰よりも大きな声を出している。打撃でもこの日、二塁打2本の活躍を見せ、チームの課題だった「長打力がない、そして打線がつながらない」問題の解決の糸口を掴んでみせた。攻守ともに試合を盛り上げる加藤響の今後の活躍に注目だ。



試合後も加藤響は笑顔を絶やさなかった


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