持ち前の脚を披露した橋本吏
土日を挟み、東洋大は現在無敗の中大と激突。厳しい戦いが予想されていた試合だったが、前節でアピールをした橋本吏(東洋大②)が驚異的な脚力を披露した。
グラウンドに稲妻が走る。そんな衝撃に神宮球場が襲われたのは五回。2番の瀬川(東洋大④)、4番小口(東洋大③)、5番木村(東洋大④)が出塁し、2死満塁で橋本が打席に向かう。
「チャンス。ここで打つ」とこれまでも勝負強さを発揮してきた男が決意を固め、放った打球が中堅を襲う。一時は捕球されたかと思われたが、グラブを弾き右中間に転がる間に3者が生還。走者一掃の適時打止まりかと思われたが、それは東洋の新スピードスターが許さない。「一塁を過ぎるころに落としたのが見えて、コーチも腕を回していたので」と迷うことなく三塁ベースを蹴り上げそのまま本塁へ。最後は気迫のヘッドスライディングを見せると主審の両腕が大きく開き、ランニングホームランに。大きく雄叫びをあげ、ベンチに戻ると大盛り上がりのチームメイトに迎え入れられた。
快足でランニングホームランを記録した橋本だったが、意外にも初のランニングホームランだったという。「狙ってできることではないので」と照れながらも「連勝していい流れに持っていけるように」と浮かれることなく、すでに前のみを見つめている。
右の代打に終わらない。16日の一戦では、「準備をしっかりと」とベンチでの過ごし方を無駄にせずに結果を残した。シーズンも折り返し地点。もはやラッキーボーイとは言えないが、この男が実力を持って東洋大を上位に押し上げるか。今後も韋駄天の攻守に渡る活躍に期待したい。
TEXT=須之内海
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